鳥取信和教会
「契約の血」
マルコによる福音書14章17~25節

(1)主イエスの警告。
 イエスさまはユダが裏切ろうとしていることを知って名をあえて告げずに警告の言葉を発します(18) 。
 「弟子たちは心配して、ひとりびとり「まさか、わたしではないでしょう」と言い出した」(19)。
 ユダは自分の罪を認めてイエスさまに対して悔い改められたらよかったのですが隠して十二弟子のひとりなのだと他の弟子たちと同様にふるまいます。ユダが裏切った一つの理由は、金銭欲から出たものでした。ユダはお金を預かっていましたが、横領していました(ヨハネ12:6)。
 もう一つの理由はイエス様に失望したためでした。ユダはナルドの香油を注いだ女性を非難したひとりでした。その時のイエスさまの「葬りの用意」という言葉を聞いて、イエスさまがイスラエルをローマの支配から解放してくださる救世主と思っていたユダは愕然としました。他の弟子たちも悟ることは出来なかったのですがユダはイエスさまの言葉に反発して裏切りを決意したのです。
 み言葉を理解できないからといって反発したり、自分の弱さや罪深さを認めずに自分の義を貫いていく姿。これが私たちの姿ではないでしょうか。
 「しかし、人の子を裏切るその人は、わざわいである。その人は生れなかった方が、彼のためによかったであろう」とイエスさまは嘆かれています。ユダの姿を反面教師として、罪を悔い改め主のあがないによって主に従うものでありたいと願います。

(2)わたしのからだ。
 イエスさまは裏切ったユダと逃げ去る弟子達を前にして愛を示されました。「イエスはパンを取り、祝福してこれをさき、弟子たちに与えて言われた、「取れ、これはわたしのからだである」」(22)。
 イエスさまがご自身をあがないのために献げることを示すためにパンを弟子たちに与えられました。それは単に肉体だけでなく神の子であるイエスさまの存在そのものを献げられたことを証しするものです。

(3)契約の血。
 「イエスはまた言われた、「これは、多くの人のために流すわたしの契約の血である」(24)。
 イエスさまは十字架で流す血によって新しい契約(ルカ22:20)を結ぶことを示されました。人は律法を守ることによって義とせられるという旧い契約を全うできませんでした。それは人が神さまに従えない古い自我、肉性を持っているからです。しかしイエスさまを信じるだけでその罪が赦され神の子とされる恵みが十字架のあがないによって与えられたのです。イエス様は弟子たちにご自身が新しい契約をもたらす過越の小羊として死なれることを示されました。
 また裏切るユダがいるところで話されていることは、大切なことを表しています。イエス様はユダのようにイエス様から離れやすい私たちの弱さを知って、イエス様の十字架の贖いのもとに立ち返るように招いておられるのです。
 わたしたちは主のあがないによって生かされていることを覚え、日々悔い改めて主を前にして歩みましょう。
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