「生きている者の神」
マルコによる福音書12章18~27節

（1）サドカイ人。
　今日の個所ではサドカイ人がイエス様に質問している様子が描かれています。
　サドカイ人は、祭司たちで議会を運営し、国を治める働きをしていました。彼らはモーセ五書（創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記）を重んじていましたが、ローマの支配下にあったため信仰としては形式的、儀式的なものとなっていました。
　そこでイエス様に対してふざけたような質問を投げかけました。モーセ五書の中に記されている結婚の規定をもとにして兄弟7人の妻になった女性が復活の時にだれの妻となるかという非現実的で無意味に思える問いかけに対して、イエスさまは「あなたがたがそんな思い違いをしているのは、聖書も神の力も知らないからではないか」(24)と答えられました。サドカイ人は誰の妻とも決められないということから復活を否定しようとしましたが、イエス様はその質問自体が聖書の意味を悟らず、神様の御力を知っていないからであると示されました。

（2）復活にあずかる神の子。
　イエス様はそのサドカイ人たちに対して復活する人々は結婚することがなく、天のみ使いのような者とされていることを示しました（25）。イエス様を信じて死んだ者は、キリストの体とされ、永遠の命にあずかる神の子とされていることを教えられたのです。

（3）生きている者の神。
　「死んだ者の神ではなく、生きている者の神である。あなたがたは非常な思い違いをしている」(27)。
　イエス様はサドカイ人が信じていたモーセ五書（出エジプト記3：6）のみ言葉を引用して先祖のアブラハム、イサク、ヤコブが今も神様の前に生きており、復活する者であることを示しました。サドカイ人は、今の現実に失望して、復活を信じることができなかったのですが、しばが燃え尽きなかったように、終わりだと思える現実のなかになお命があることを教えられたのです。
　私たちも思い違いすることなく今も生きて働いておられる主を信じて歩む者でありたいと願います。