「見ないで信じる者」
ヨハネによる福音書20章19〜31節
(1)安かれ。
復活されたイエス様は、ユダヤ人たちの迫害を恐れて閉じこもっている弟子たちに顕れました。イエス様から逃げ出した弟子たちに叱責の言葉を語るのではなく「安かれ」(19)と語られました。さらにイエス様は「安かれ。父がわたしをおつかわしになったように、わたしもまたあなたがたをつかわす」(21)と語られました。
イエス様は信仰者としては失格ではないかと思い悩む弟子たちに、「わたしが共にいるから恐れることはない。私があなたたちに復活の力を与えて罪の赦しの福音を伝える者として用いる」と約束して下さったのです。
(2)見ないで信じる者。
その弟子たちと一緒にいなかったトマスはイエス様の復活を信じられずにいました。もともと疑い深かったわけではありませんが、イエス様の十字架の死という現実に打ちのめされていたのです。そのトマスにイエス様は「安かれ」(26)と語られながら顕れて下さいました。そして「信じない者にならないで、信じる者になりなさい」(27)と招いてくださったのです。
私たちもトマスのように現実を見て振り回されやすいものですが、いつもイエス様の愛の呼びかけに応答して立ち返り、イエス様を信じる者とされたいと願います。「あなたはわたしを見たので信じたのか。見ないで信ずる者は、さいわいである」(29)。