「パウロの伝道」
使徒行伝19章23〜41節
(1)デメテリオの煽動
「しかるに、諸君の見聞きしているように、あのパウロが、手で造られたものは神様ではないなどと言って、エペソばかりか、ほとんどアジヤ全体にわたって、大ぜいの人々を説きつけて誤らせた」(26)。
パウロがエペソで2年以上にわたって伝道したので多くの人がイエス様を信じるようになりました。そこでパウロによって不利益を受けたと銀細工人デメテリオが訴えました。
その中でパウロが「手で造られたものは神様ではない」と伝えたと記されています。これは人が作った像とかが神様ではないといったと言うよりも、まことの神様は天地を創られすべてを支配しておられるお方なのだから人がどうこうできるものではないことを表したものです。私たちは祈っても願い通りにならない時に不平不満を覚え不信仰に陥る弱さを持っています。
(2)エペソでの騒動。
デメテリオが同業者や群衆を煽ったために人々は怒りに燃え、パウロの同行者たちを捕え劇場で騒動を起こしました。ユダヤ人たちも弁明しようとしましたがパウロと同じユダヤ人と分かると、「みんなの者がいっせいに「大いなるかな、エペソ人のアルテミス」と二時間ばかりも叫びつづけた」(34)という大騒動になりました。
(3)書記官のとりなし。
そこでアルテミス神殿の祭司でもあった市の書記官が騒動を収めるためにきました。書記官はパウロたちを「彼らは宮を荒す者でも、われわれの女神をそしる者でもない」(37)と言い表しました。祭司ですから本来なら反対者であってもおかしくない書記官でしたが、パウロがアルテミスやその信仰をばかにしてなかったことを知っていました。
パウロはユダヤ人にはユダヤ人のように、ギリシャ人にはギリシャ人のようになる(Tコリント9:19〜23)、相手を尊重した伝道をしていました。私たちもパウロのように主に従い、相手の立場を思いやって主を証しするものでありたいと願います。