「金持ちとラザロ」
ルカによる福音書16章14〜31節
(1)神は心を知られる。
「神と富とに兼ね仕えることはできない」とのイエス様の言葉を聞いてパリサイ人はあざ笑いました。そこでイエス様は「神はあなたがたの心をご存じである」と語られました。
パリサイ人は律法を守る正しい生き方をし、それを人々に教えていました。そこで人々から尊敬を得ていましたが、本心においては神様に従うものではありませんでした。それを神様は知っておられたのです。
律法を守ることによって正しいとされる時代からイエス様を信じることによって救われる時代となり、イエス様が律法を全うするものであることを示されました(17)。そこで具体例を通してパリサイ人に律法を本当の意味では守れていないことを教えられました(18)。
(2)金持ちとラザロ
イエス様はパリサイ人に「金持ちとラザロ」のたとえ話を語られました。思い上がっていた金持ちは黄泉に下り、貧しい人であったラザロは天に召されました。ラザロは、「神は助け」という名の通り、行いはなしにただ恵によって救われたのです。
(3)モーセと預言書に聞く
『もし彼らがモーセと預言者とに耳を傾けないなら、死人の中からよみがえってくる者があっても、彼らはその勧めを聞き入れはしないであろう』(31)。
イエス様は締めくくりとして聖書に教えられるのでなければ、人が生き返るような奇跡が起こったとして意味がないことを示されました。パリサイ人は聖書をよく知っていました。けれどもそれは自分に御言を引き寄せ、自分の考えを読み取るものでしかありませんでした。そこで耳を傾けるように教えられたのです。
私たちはへりくだって御言に耳を傾けるものでありたいと願います。